バッコ博士の構造塾

建物の安全性について本当のプロが綴る構造に特化したブログ

地震後の通電火災はこれで防げる!スイッチ断ボールは信頼性抜群

今ではめっきり聞かなくなくなりましたが、日本人の怖いものと言えば「地震、雷、火事、親父」でした。地震大国日本では、やはり地震が一番怖かったようです。 そのせいか、「地震に強い家に住みたい」、「絶対に壊れない家にしてください」という要望をよく…

免震レトロフィットとは:最も効果のある耐震補強工法

1981年以前に建てられた建物は、現行の耐震基準に適合していない可能性があります。2016年の熊本地震では、建設年が1981年以前か以後かで建物の倒壊率に大きな差がありました。 建物の耐震性を向上させるには耐震改修を行うしかありません。しかし、実際に工…

談合はなぜなくならない?建設業・ゼネコンとは切っても切れないその理由

一昔前の建設業を取り扱う小説では必ず題材にされる「談合」。建設業と言えば談合、というイメージすらありました。 現在は規制の強化により、その数は大幅に減りました。とはいえ、「どうせまだやってるんでしょ」という印象はぬぐい切れていません。 実際…

弾性・非弾性・弾塑性とは?設計の際に欠かせない視点

建築物の骨組となる部分は主として木、コンクリート、鉄で造られています。地震に対して安全な建物を造るには、これらの材料の特性をよく知っておく必要があります。 材料の最も一般的な特性として「剛性(硬さ)」と「強度(強さ)」があります。建物を変形…

KYBの免震・制振装置のデータ改竄:構造設計者が思うこと

2018年10月、KYBとその子会社のカヤバマシナリーが「免震用オイルダンパー」および「制振用オイルダンパー」の検査データを改竄していることが明らかになりました。 横浜での杭打ちデータ不正、東洋ゴム工業の免震装置データ不正と建築業界で不祥事が続いて…

構造計算とは?真面目に計算した建物ほど弱くなる不思議

世界各地で地震が起きると、その規模に比べて被害が大きいことに驚きます。 地方では技術者が関与していない建物がたくさんありますが、その大半が瓦礫の山に変わります。しっかりと建物を造っていれば助かった命がたくさんあったでしょう。 その点、日本で…

建築学科に入ってよかったこと、建築士になってよかったこと

ゼネコンに技術系で入社する人の大半が建築系か土木系の学科を卒業しています。 両学科は工学部に属していますが、他の機械や電気、情報工学といった学科とは少し趣が違います。特に建築学科は工学部っぽくない要素が強いです。 建築学科を卒業し建設業に就…

SRC造がよくわかる:S造・RC造との違いと耐震性・耐久性

一昔前の高層マンションでは、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)を採用するケースが多く見られました。近年は新築ではあまり見なくなりましたが、中古マンション市場ではいくつも出回っています。 ただ、鉄骨造(S造)や鉄筋コンクリート造(RC造)の建物に比べ…

二階リビングだけじゃない:耐震性の高い間取りとは

東北地方太平洋沖地震以降、日本各地で地震が頻発しています。住宅を建てる際に、耐震性を気にする方も増えているようです。 これから建てられる家は全て、現行の建築基準法の規定以上の耐震性を有することになります。近年の地震被害の状況から見て、人命保…

制震テープの効果は?構造設計のプロが本当の性能を徹底解説

世の中にはいろいろな種類の制振ダンパーが出回っていますが、その中でも異彩を放っているのが「制震テープ」です。 制震テープ単体では制振ダンパーとは呼べません。耐力壁にこのテープを貼り付けることで、ただの耐震の壁が制振の壁へと変化するのです。 …

小屋裏収納(ロフト)と中間階収納(蔵):耐震性が高いのはのどちら?

敷地ごとに建てられる建物の面積は決まっています。各部屋の面積は大きく取りたいけれど、収納もたくさんほしい、多くの人が悩むところです。 そんな悩みを解決してくれるのが「小屋裏収納」や「中間階収納」です。天井高1400mm以下の空間は床面積に算入され…

長周期地震動階級とは?超高層ビルへの影響を考慮した新しい指標

地震の大きさを測る指標はいろいろあります。地震の加速度や速度、マグニチュードなど、巨大地震発生後には多様な数値がメディアを賑わせることになります。 その中でも、「震度」が一番馴染みのある指標ではないでしょうか。他の指標と違い、物理的な意味よ…

「建築」と「土木」の違い:大学教育から業界の体質まで

「建築」という言葉、あるいは「土木」という言葉からどんな印象を受けるでしょうか。なんとなく「建築」の方がお洒落で、「土木」の方が野暮ったいイメージがある気がします。 しかし、どう違うのかと聞かれると答えに窮してしまう人もいるのではないでしょ…

パンフレットを読み解く:マンション購入前に知っておきたいRC造の基本

多くの人にとって人生で最も高い買い物になるであろうマンションの購入ですが、新築マンションの場合には建物の完成前に契約する場合が大半です。 事前にいろいろと比較しようにも、1つとして同じマンションはありません。結局はデベロッパーの評判やパンフ…

構造設計のプロが住友ゴムの「ミライエ」をお薦めする4つの理由

今一番売れている木造住宅用の「制振ダンパー」と言えば、住友ゴム工業の「ミライエ(MIRAIE)」でしょう。 木造住宅を手掛ける大手ハウスメーカーの大半は、独自の「制振ダンパー」を開発しています。自社の耐震性能の高さをアピールするためなので、「A社…

不動産投資のリスク低減:地震対策は免震にすべき3つの理由

日本人は諸外国に比べ銀行預金が好きと言われますが、株式やその他いろいろな投資を行っている方も増えてきているかと思います。 投資にリスクは付き物ですが、中でも単価が大きい不動産投資は気を付けて行う必要があるでしょう。また、日本は自然災害が多く…

構造力学は一級建築士に必要か:試験勉強中の君へ

建築を学ぶ学生は多数いますが、「構造力学」が苦手だという声はよく聞きます。 建築学科は工学部に属している「理系」の学科ですが、実際にはデザインや建築の歴史といった「文系」の講義が多くあります。他の工学系の学科に比べて、数学・物理に割く時間は…

スーパーゼネコンとは何か?売上高・企業規模だけがその理由ではない

「総合建設業」を表す「ゼネコン」ですが、その中でも最大手5社である大林、鹿島、清水、大成、竹中を「スーパーゼネコン」と呼びます。 各社売上高は1兆円を超えており、業界6位以下とは大きく水をあけています。また、新国立競技場をはじめ、国家プロジェ…

震度とは何か?よくわかる計測震度の算出方法と震度階級

大きな地震が発生すると地震速報が流れ、震源地や「震度」の分布状況がすぐにわかります。地震の大きさを表す指標はいろいろありますが、「震度」が最もわかりやすい指標だと考えられているようです。 震度5強くらいだと「けが人が出ただろう」、震度6弱だと…

超高層ビルの解体工事:建て方から壊し方を考える時代へ

2014年にあべのハルカスが竣工し、日本の超高層ビルも300mに到達しました。これから先もいくつか300mを超えるようなビルの建設が計画されています。 日本で最初にビルの高さが100mを超えたのは1968年の霞が関ビルディング(高さ147m)です。その後、1970年代…

主筋とせん断補強筋(帯筋・あばら筋):各鉄筋の役割と違い

鉄筋コンクリート造(RC造)は、マンションや病院、その他多くの建物に採用されています。 RC造とはその名の通り、コンクリート内に鉄筋を組み込んだコンクリートと鉄の複合構造です。コンクリートは「圧縮」には強いですが、「引張」には弱いため、それを補…

東洋ゴム工業の免震ゴムデータ不正:構造設計者が考える最善の対応

2015年3月に東洋ゴム工業(現TOYO TIRES)が製造する免震ゴムの不正が明らかになりました。 病院や庁舎を含め多くの建物が対象となっており、建築の品質に関する信頼が大きく揺らいでいます。 不正があったと考えられる免震ゴムの全数を取り換えるということ…

仮想仕事の原理による梁のたわみの計算例

構造設計者であれば、梁のたわみの公式の基本的なものは暗記しています。しかし、たまに忘れてしまう時もあります。そんな時、自分で導出できれば公式集を持ち歩く必要はありません。 ここでは「仮想仕事の原理」を用いて、片持ち梁と単純梁に集中荷重と等分…

直下率は耐震性に関係しない!構造のプロが教える4つの理由

2016年の熊本地震では最新(2000年)の耐震基準で設計された住宅でも何棟か倒壊しています。また、建築基準法に規定されている耐震性能の1.25倍の強さがあるとされる「耐震等級2」の住宅も倒壊しています。その理由の1つとして「直下率」の低さが挙げられて…

スキップフロアは地震に弱い?素人建築士に任せると危険な4つの理由

床に段差をつけ、半階ずつずらして空間を構成した建物を「スキップフロア」と言います。敷地を有効に利用できるだけでなく、変化に富んだ空間を作ることができます。 □■□疑問■□■ スキップフロアで住宅を建てようと考えています。地震に強い家にするために注…

モールの定理による梁のたわみの計算例

梁のたわみを求める方法はいくつかあります。全て解析ソフトが計算してくれる時代ではありますが、電卓1つでできることもまだまだ多いです。 ここでは「モールの定理」を用いて、片持ち梁と単純梁に集中荷重と等分布荷重が作用したときの曲げによるたわみ量…

建物の基礎の種類と特徴:べた基礎が布基礎よりいいとは限らない

建物を支えるためには基礎をしっかりと造る必要があります。 □■□疑問■□■ 住宅の基礎をどうするか迷っています。基礎の違いによって建物の耐震性は大きく変わるのでしょうか。 □■□回答■□■ 基礎がしっかりしていないと、いくら上部の建物を強くしても意味があ…

木造住宅に最適な制振・制震ダンパーはどれ?価格・耐久性・耐震性を比較

木造をメインとする大手ハウスメーカーの大半が独自の制振ダンパー(制振装置)を開発しています。 □■□疑問■□■ 数ある制振ダンパーの中で、木造住宅に最も適しているのはどれでしょうか。 □■□回答■□■ 耐震構造でも十分安全な建物にすることは可能ですが、も…

断面二次モーメントと断面係数の計算:長方形・三角形・円形の公式を導出

建築の分野で使用する部材の断面は「長方形」か「H型」である場合が大半です。「H型」は「長方形」の集合であると考えることができるので、基本的には「長方形」に関する公式を暗記していれば問題ありません。 ただ、大学の講義やテストでは三角形や円形につ…

木造住宅の四隅に耐力壁は必須か?配置不要なことを力学的に検証

建物の耐震性を高めるには耐力壁をバランスよく配置しなくてはなりません。 □■□疑問■□■ 耐力壁を四隅に配置するのが耐震構造の基本と言われました。木造住宅ではコーナーサッシなどは諦めた方がいいのでしょうか。 □■□回答■□■ 建物の四隅に柱や耐力壁を必ず…