バッコ博士の構造塾

建物の安全性について本当のプロが綴る構造に特化したブログ

構造に関する相談窓口:構造設計一級建築士に相談してみませんか

困ったときに相談に乗ってくれる人がいるのはありがたいことです。それが弁護士や医者などの専門性の高い人であれば、とても助かることが多いと思います。では構造設計一級建築士だとどうでしょうか。

 

 

お客様の中に構造設計一級建築士の方はいらっしゃいますか?

新幹線の中で一度だけ「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか?」を生で聞いたことがあります。体調を崩した乗客がいたため放送がかかったらしいのですが、何百人という乗客の中にはちゃんと医者がいたようです。

 

2008年12月時点で日本全国の届出医師数は29万人弱だそうです。日本人の約450人に1人であれば、新幹線車内にいても何ら不思議はありません。医者とくれば次は弁護士ですが、弁護士は医者よりも一桁少なく、2015年時点で4万人弱とのことです。こちらは日本人の約3500人に1人となり、希少性が増しました。

 

では問題の構造設計一級建築士はどうでしょうか。「構造設計」が付かないただの「一級建築士」であれば33万人もいるとのことで、日本人の約400人に1人です。なんだか多過ぎる気もしますが、実際にいるようです。それに対して構造設計一級建築士は2017年12月時点で約1万人です。

 

「構造設計」という言葉が頭に付くだけで1/30に減りました。2008年に新設されたマイナーな資格なので特に驚きはありません。日本人の1万人に1人以下となると「知り合いに構造設計一級建築士がいるよ」という人の数もそれほど多くないでしょう。

 

2008年以前であれば、たくさんいる一級建築士に構造のこと、耐震性のことを聞いておけばなんとなく安心できました。構造が専門外の建築士でも「構造がわかるふり」をしておけば済んだのです。それが今や、1万人しかいない構造設計一級建築士とやらに聞かないといけない時代になったようです。

 

年々複雑化する構造

世の中のその他の技術同様、建築の構造の世界も歩幅は小さいですが日進月歩、日々高度になっていきます。研鑽を怠っていると、新しい技術に着いていけなくなるどころか、真逆のことを言ってしまう残念な人にもなりかねません。

 

構造設計一級建築士とはいえ、常に最先端の技術に触れられている人は極わずかです。制振や免震の設計経験が無い人も多いでしょう。資格を取ったらそこで終わり、といかないのはどの業界、どの分野でも共通です。

 

一級建築士であっても、場合によっては構造設計一級建築士でさえも、適切な回答ができない問題が多数転がっている、それが耐震工学の世界です。

 

インターネットで調べてわかること

分からないことがまだまだ多い耐震工学、そんな分野の情報を一般の方がネットで検索しても答えに辿り着くのは至難の業です。ただの個人の意見なのか、学会では常識なのか、そこまで判断できる人はほとんどいないでしょう。

 

専門家ほどまだまだわかっていないということをわかっています。しかし検索する側としては、結論が不明瞭な曖昧な表現よりも、断定口調で自信満々に書かれている方がわかりやすいので、そちらの意見に流れてしまいがちです。

 

本を読んだだけ、あるいはネットで調べただけの受け売りの情報が溢れています。メリットやデメリットを並べ立てても、その本質は理解できていないものが多いです。

耐震・制振・免震:メリット・デメリット以前に知っておくべき性能の違い

 

このブログを始めたきっかけの一つが「ネットではわからないことが多過ぎる」ということです。少しでも誰かの誤解を解く、参考になるということを動機として更新を続けています。

 

バッコに問い合わせよう

長々と前置きを書いてきましたが、言いたかったことは一つ「知り合いに構造設計一級建築士がいないのなら、バッコが相談に乗るよ」ということです。

博士で構造設計一級建築士でコンクリート主任技士:バッコとは?

 

幸か不幸か、建築の構造というマイナーな話題に人が殺到するということはなさそうです。お問い合わせいただければ、可能な限り丁寧に対応させていただくつもりです。もちろんお代はいただきません。

 

ただ「この建物の耐震診断をして検討書を出してください」というヘビーなものは対応できません。それはもう「業務」のレベルです。図面を確認し、建物も確認し、いろいろと計算しないと耐震診断はできません。しっかりとお金を払ってやってもらう内容だと思います。

 

あくまでも知り合いに「相談」するレベルです。「このプランだと○○工務店と□□ホームのどちらが強い家にできますか」、「木造3階建てだと制振ダンパーは有効ですか」くらいであればすぐに回答できます。「不安なのでこのマンションの計算書を確認してください」だと少しヘビーな方に入りますが、対応できなくはないという感じです。

 

何にせよあまり深く考えず、気軽に何でも聞いていただければと思います。ヘビーならヘビーとお答えしますし、ここまでは無理ですがここまでならできますよ、ということもあります。

 

お問い合わせはこちら

 

不特定多数の建築士に質問ができるサイトもありますが、回答のレベルは様々です。とても丁寧で適切なコメントの方もいらっしゃいますし、知らないのに無理して回答しているような印象の方もいます。基本的には意匠設計者ですし、中高層建物は対象外のようです。

建築士の専門分化:意匠屋さん本当に構造わかってる?

 

当然バッコにも得手不得手はありますので、全てが全て適切な回答ができるとは思いませんが、何か不安がある方はまずお問い合わせください。