構造設計:力学・数学
できるだけ少ない材料で、できるだけ強いものをつくりたい。昔からたくさんのエンジニアが取り組んできた課題であり、今も研究や開発が続けられています。 これまでたくさんの構造が提案されていますが、一般の方にも広く知られているものとして「ハニカム構…
何ごともコストパフォーマンスというのは大事です。 1週間頑張って勉強して試験で100点を取るのも素晴らしいですが、もし前日に1時間勉強すれば90点を取れるとわかっていれば前日から勉強を始める人も多いかと思います。単位を取るためには98点以上が必要と…
物理学ではいろいろな自然現象を数式で表現することで未来を予測したり、今起こっていることの説明を試みたりします。最も身近なものとしては天気予報が挙げられるでしょう。 予測精度を高めるためには、その現象を精確に数式で表す必要があります。ただ、そ…
世の中には揺れてしまうと困るものがたくさんあります。揺れによって不具合を起こす・壊れるといったモノへの影響から、居心地が悪くなる・ケガをするといった人への影響もあります。最悪の場合、人命に関わるということもあります。 そのため、揺れを小さく…
今現在、最高の地震対策技術は「免震」です。そしておそらくこれからも最高の技術であり続けるでしょう。 免震構造がわかる 1995年の兵庫県南部地震以降、免震建物はその数を急激に伸ばしており、今や戸建て住宅から超高層建物まで、幅広く適用されています…
地震が起こったり、風が吹いたり、あるいは人がぶつかったりするとモノが揺れます。しかし、いつまでも揺れているわけではありません。いつかは揺れが収まります。 揺れが収まるのは「減衰」があるからです。「減衰」とはモノが振動するエネルギーを吸収・発…
建物の揺れというのはなかなか複雑なもので、簡単に理解することはできません。また、完全に解明されているわけでもなく、今後も研究が続けられていくでしょう。 しかし、わかっていることもたくさんあります。力学モデルを構築してさまざまな解析を行ったり…
震度6強や震度7の大きな地震が過去に何度も発生しています。この規模の地震が起こると、ほとんどの場合人的被害が発生してしまいます。 しかし、同じ震度の地震であっても被害の程度が大きいものと、そうでもないものとがあります。この違いは一体何によるも…
地震が発生すると、日本各地で観測された地震のデータはすぐに解析されます。震央やマグニチュード、震度の分布状況が速報で流れることで、地震の概要がわかります。 地震の大きさ・強さを表す指標として「震度」や「マグニチュード」は広く認知されており、…
重力や地震に対して安全な建物をつくるには「構造計算」により建物の各部に生じる力の大きさを求める必要があります。力の大きさがわかればこそ、柱の太さや鉄筋の量が決められるのです。 構造計算を行うには、建物という複雑な構造物をシンプルな形状に置き…
「地震に強い建物にするにはバランスのいい構造にするのが重要です」とはよく言われます。 なるほど、確かにバランスが悪いよりはいい方が強そうです。では、建物のバランスとは一体何を指しているのでしょうか。 そもそも、一口にバランスと言っても、色々…
中学生の頃、「フックの法則」というものを習ったかと思います。バネを引っ張るとき、バネの伸びと引っ張る力の大きさは比例する、というものです。 10kgfの力で引っ張ると3cm伸びるのであれば、20kgfの力で引っ張れば6cm伸びるわけです。簡単な話ですね。比…
地震の揺れを観測するため、日本中に地震計が設けられています。地震計位置における加速度データは記録され、耐震工学の発展をはじめ、いろいろなことに使用されています。 しかし、その記録された地震波のデータを見ただけではほとんど何もわかりません。せ…
地震が発生すると、日本各地で観測された地震のデータはすぐに解析されます。震央やマグニチュード、震度の分布状況が速報で流れることで、地震の概要がわかります。 しばらくすると負傷者や倒壊家屋の数が報道され始め、地震による被害の状況も知ることが可…
「鉄筋コンクリート造(RC造)」は異種材料である鉄筋とコンクリートを組み合わせた複合構造であり、非常に複雑な特性を持っています。その複雑さゆえ、RC造の建物の各部に生じる力を正確に求めることは容易ではありません。 しかし、各部に生じる力の大きさ…
実験や計測によってたくさんのデータが得られます。得られたデータを適切に処理することで特性や傾向が理解できるようになります。 「このデータ、右肩上がりの傾向があるな」というような時に、それを近似できるような関数を求めたくなりますね。適当にエイ…
通常、ある物体に横から力を加えると横に変形し、縦から力を加えると縦に変形します。 なんだか当たり前のような気もしますが、そうとも限りません。ある条件の下では、縦に押したのに横に曲がってしまうということが起こります。 プラスチックの定規や細長…
梁のたわみを求める方法はいくつかあります。全て解析ソフトが計算してくれる時代ではありますが、電卓1つでできることもまだまだ多いです。 ここでは「モールの定理」を用いて、片持ち梁と単純梁に集中荷重と等分布荷重が作用したときの曲げによるたわみ量…
大学の講義でも建築士の試験でも、構造力学につまずいてしまう人が非常に多いです。カッコいい建物をデザインしたくて建築士を志しているのに、まさかこんなに数式が出てくるとは、、、といったところでしょうか。 力学を理解するのに数式は避けて通れません…
ばねに吊るしたオモリを引っ張ってから手をはなすと上下にビヨンビヨンと揺れます。プラスチックの定規を指ではじくとブーンと揺れます。 しかし、どちらもいつかは揺れが収まり止まってしまいます。揺れが収まるのはなぜか、それは「減衰」があるからです。…
同じ工務店が、同じ規模、同じ壁の量で、建物を隣同士で建てます。しかし、地震が起こった時に片方は倒壊したが、もう片方は軽微な損傷で済んだ、そんなことが起こり得ます。これは壁配置のバランスの良し悪しが影響しています。壁配置の評価の基本である偏…