バッコ博士の構造塾

建物の安全性について本当のプロが綴る構造に特化したブログ

本日発売!『教養としての建築』

あけましておめでとうございます。 本日2025年1月8日、ついに初の著書『教養としての建築』が発売となります。感無量です。 教養としての建築 これまで卒論、修論、博論とそれなりにボリュームのある文章を書いた経験はありましたが、作法が決まっている学術…

本が出ます!『教養としての建築』

当ブログを2018年5月に開設して以来、密かに「いつかは本を出してみたい」と思っていたのですが、この度ご縁がありまして実現にこぎつけました。 タイトルは『教養としての建築』です。 教養としての建築 一介の構造技術者が書いたにしては大仰なタイトルに…

コンテナハウスは地震に強いか:耐震性を数字で比較してみた

昔は、家といえば木造で、LDK以外に寝室が3つと客間に使える和室があって、というようなステレオタイプなものが多数ありました。しかし昨今は、もっと多様な中から自分の好みにあったものを選びやすくなっています。 コンテナハウスもその中の一つでしょう。…

『制振はサスペンションと同じ原理』というモヤモヤする例え

なにか難しいことを説明するとき、それに似たなにか別のものに例えるのはよくあることです。当ブログでもこれまでたくさんの例えをしてきました。 例え話には厳密さは必要ありません。そもそも厳密に同じものであれば例えになっていません。要は本質的な部分…

建物の精度:建築は機械と違ってとてもラフ

人間がつくるものには必ず誤差があります。どれだけきれいにできているようでも、実際には図面とはぴったり一致しません。ぴったりでなくても、誤差が許容範囲内であればよしとされます。 高い精度が求められるものとして、まず半導体が挙げられるでしょう。…

地盤被害と耐震性:地震に強い家にするには

耐震基準が改正され、耐震性の高い建物が増えてくるにつれ、地震による建物被害は以前よりも小さく抑えられるようになってきました。非常に大きな地震が発生しても、特に被害が無いという建物もたくさんあります。 とはいえ、最新の基準に適合している建物で…

伝統構法は地震に強いか:被害状況と耐震性、構造計算について

日本では小規模な建物のほとんどが木造でできていますが、同じ木造と言ってもいろいろなものがあります。多数を占めるのが「在来軸組構法」、耐震性が高いと言われ近年増加傾向にある「枠組壁構法」、そして日本古来の方式である「伝統構法」です。 寺社仏閣…

建物の滑り量と地震力の関係:効果の薄い製品に騙されないように

地震によって建物が揺れるのは、地面と建物が基礎を介してつながっているからです。地面の揺れが建物に伝わってくることで被害が生じます。もし建物と地面とがつながっていなければ、地震によって建物が揺れることはありません。 建物と地面とのつながりを切…