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主筋とせん断補強筋(帯筋・あばら筋):各鉄筋の役割と違い

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鉄筋コンクリート造(RC造)は、マンションや病院、その他多くの建物に採用されています。

 

RC造とはその名の通り、コンクリート内に鉄筋を組み込んだコンクリートと鉄の複合構造です。コンクリートは「圧縮」には強いですが、「引張」には弱いため、それを補うのが鉄筋の主たる役割です。

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コンクリートで造られるあらゆる部材(柱、梁、壁、床等)には鉄筋が入っています。

 

重力に抵抗するため、地震の力に抵抗するため、ひび割れを低減するため、その他いろいろと、その役割は様々です。

 

ここでは柱や梁の鉄筋の役割や、その違いについて説明していきます。

 

 

主筋:部材に平行な鉄筋

鉄筋を組み始める際、最初に取り掛かるのが「主筋」です。まさにメインとなる鉄筋です。

 

部材と平行な鉄筋で、柱の主筋は鉛直、梁の主筋は水平に設置されることになります。

 

主筋の役割

主として、柱や梁が「伸び縮み」および「曲げ」の作用を受ける際に働きます。

 

部材が「伸びる」場合、コンクリートが耐えられる力は小さいため、主筋の役割は重大です。「縮む」場合はコンクリートだけでも十分な力に耐えられるため、主筋が負担する力はあまり大きくありません。

 

「曲げ」が作用すると、部材の断面の半分が「圧縮」、もう半分が「引張」の力を受けることになります。引張を受ける側に入っている鉄筋には大きな力が作用しますが、圧縮を受ける側の鉄筋はそれほどではありません。

 

柱の主筋と梁の主筋の違い

同じ主筋であっても、柱の主筋と梁の主筋では負担する力が違います。

 

実は、梁にはほとんど「伸び縮み」は生じません。柱のように下の階まで重さを伝える役割がありませんし、コンクリートの床が一面にくっついているため「伸び縮み」が拘束されるからです。

 

では、「伸び縮み」も負担しなくてはならない柱の主筋の方が大変かというとそうではない場合も多いです。

 

通常、柱は建物の重さを支えているため「圧縮」されている状態です。そこに「曲げ」が加わることで「引張」の力が追加されるわけですが、元々「圧縮」されている分だけ「引っ張る力」が低減されるからです。

 

そのため、曲げる力が同じであれば柱の方が梁よりも主筋を少なくすることができる場合もあります。

 

せん断補強筋:部材に垂直な鉄筋

主筋にグルっと巻き付けるように配置するのが「せん断補強筋」です。

 

部材と垂直な鉄筋で、柱のせん断補強筋は水平、梁のせん断補強筋は鉛直に設置されることになります。

 

せん断補強筋の役割

その名の通り、柱や梁が「せん断」の作用を受ける際に働きます。

 

「せん断」とは部材が横に「ずれる」作用です。ハサミで紙が切れるのはせん断の作用によるものです。

 

地震や重力により柱や梁に「せん断」が生じることで部材がずれようとします。ずれが生じる面をせん断補強筋が横切っているので、ずれの進行を止めることができます。

 

せん断補強筋が本格的に力を発揮するのは、ずれによりひび割れが生じてからです。せん断補強筋の本数を増やしたり、高強度の鉄筋を使用したりすれば強い部材にはなりますが、ひび割れの発生は防げません。

 

ひび割れを防ぐにはコンクリート強度を上げるか、部材の断面を大きくする必要があります。

 

柱のせん断補強筋と梁のせん断補強筋の違い

まず、柱と梁でせん断補強筋の呼び名が違います。両者とも漢字表記、カタカナ表記の両方があり、どちらでも通じます。

 

:帯筋、またはフープ

:あばら筋、またはスターラップ

 

どちらも「せん断」に抵抗するのは同じですが、柱のせん断補強筋にはもう1つ大切な役割があります。それは柱の主筋の拘束です。

 

上述したように、柱は梁と違い「伸び縮み」にも抵抗しなくてはなりません。地震時には建物の重量という大きな荷重を支えながら横方向に変形することになります。

 

そのため、地震の力が大きくなると柱の足元に損傷が生じます。鉄筋の外側にあるコンクリートがバラバラと落ちていき、主筋が露出することになります。

 

主筋の周囲にコンクリートが無くなってしまうため、建物の重さによって主筋が外に孕み出そうとします。そうなるともうこの柱は建物の重さを支えられなくなり、建物が崩れてしまいます。

 

この時、せん断補強筋が十分であれば主筋の孕み出しを抑えることができるのです。

 

そのため、「1階の柱の足元だけせん断補強筋を増やす」、「せん断補強筋を溶接によりしっかりくっつける」といった工夫がなされています。

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主筋とせん断補強筋はどちらが重要か

主筋とせん断補強筋、そのどちらも非常に重要な鉄筋です。

 

主筋だけでは「せん断」に抵抗できませんし、せん断補強筋だけでは「伸び縮み」や「曲げ」に抵抗できません。どちらか一方ではRC造は成り立ちません。

 

ただ、どちらがより重要かと聞かれれば、せん断補強筋の方が重要と言えるかもしれません。

 

主筋が極端に多いと、「せん断」で部材は壊れます。逆にせん断補強筋が多ければ「曲げ」で部材は壊れます。

 

実は、「曲げ」で壊れる分には建物は急に崩壊しません。部材の中の主筋がグーっと伸ばされてから壊れるので、十分な変形能力があります。

 

十分変形することができれば、多くのエネルギーをため込むことができます。

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そして「せん断」で壊れるときには一気に壊れます。変形能力が乏しいコンクリートが壊れるからです。

 

柱と梁で構成されている「ラーメン構造」では、ほとんどの場合「曲げ」で壊れるよう設計されています。主筋を多く入れれば建物が強くなるとは限らないのです。

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