バッコ博士の構造塾

建物の安全性について本当のプロが綴る構造に特化したブログ

ラーメン構造がよくわかる:基本概念から耐震性まで

戸建住宅以外で最も多く適用されている構造形式、それが「ラーメン構造」です。 □■□疑問■□■ ラーメン構造とはどういう構造形式なのでしょうか。メリットやデメリット、耐震性について教えてください。 □■□回答■□■ 鉄骨造のビルや、鉄筋コンクリート造の中層…

構造設計者の三種の神器:関数電卓・フリクションペン・方眼紙

コンピュータの計算能力が上がり、数万m2の巨大な施設や超超高層ビルでも構造計算が可能になりました。恐らく人間の手では一生かかっても正確な計算ができないでしょう。 □■□疑問■□■ 構造計算は全て構造計算ソフトがやってくれます。構造設計にはパソコン一…

設計経験のある教授は怖い:設計事務所・ゼネコン設計部出身の先生方

大学院修了後も大学に残り、研究一筋の先生も多いですが、一度企業に勤めてから大学に戻ってくる先生も一定数います。 □■□疑問■□■ 超高層ビルや免震建物のような難易度の高い建物については大学の先生が審査すると聞きました。どのような先生が担当するので…

一級建築士試験の難易度は?新旧試験の比較とゼネコンマンが思うこと

同じ建築士でも、「一級建築士」が取り扱える業務の範囲は「二級建築士」や「木造建築士」とは比べられないほど広くなります。建築を生涯の生業にするのなら、ぜひとも取っておきたい資格です。 では、一級建築士試験はどのくらい難易度が高いのでしょうか。…

海外の超高層ビルの構造:日本の構造設計とはここが違う

日本一の高さを誇るビルは大阪のあべのハルカス(300m)ですが、世界にはそれを遥かに凌ぐ超高層ビルが乱立しています。 □■□疑問■□■ 世界と比べると、日本の超高層ビルは高さがかなり低いです。地震国であることが関係しているのでしょうか。 □■□回答■□■ 日…

靭性・脆性とは:材料の特性を知って安全な構造物を設計しよう

何か構造物を設計する際、使用する材料の「強さ」や「硬さ」を知る必要があります。 「強さ」と「硬さ」の違い この二つがわかれば、想定した力に対して構造物が「壊れるかどうか」がわかります。しかし、その構造物が「どう壊れるか」までは分かりません。…

軟弱地盤こそ免震構造にするべき:地盤と免震に関する勘違い

平成12年の建設省告示2009号の第6による方法では、第3種地盤と呼ばれる軟弱な地盤や液状化の恐れがある地盤では免震構造の設計を行うことができません。 □■□疑問■□■ 軟弱な地盤では免震の効果を発揮できないため、免震建物を建設することはできないと聞きま…

耐震等級3は必要か:構造設計のプロが考える

建築基準法に規定されている耐震性は「人命を保護するための最低限の規定」です。 人命保護が目的がですので、建物自体が損傷することは許容しています。そのため、大地震後にも安心して住み続けたいのであれば、規定よりも耐震性を高める必要があります。 …